SMB over QUIC を試す!

SMB over QUIC とは、Windows ファイルサーバーに対して、インターネット越しにアクセスできるようにする機能です。通信は[UDP 443]により暗号化されているため安全に利用できます。本機能は、Windows Server 2022 Azure Edition 専用の機能となるため、ファイルサーバーはAzure上に構築する必要があります。

さっそく、構成を見てみましょう!

Active Directory:ドメイン環境が必須。オンプレでも可
Certificate Authority:サーバー証明書を発行するのに必要。オンプレでも可
ファイルサーバー:Windows Server 2022 Azure Edition が必須。サーバー証明書が必要
クライアント:Windows11 である事が必須。とくに設定不要
※サーバーとクライアントは、同じドメインに参加している必要があります。
※ファイルサーバーには、FQDNで接続する必要があります。


全体の流れ

Step1:CAにて証明書テンプレートを作成する
Step2:ファイルサーバーにてサーバー証明書をインストールする
Step3:ファイルサーバーにてSMB over QUICを設定する

※AD、CA、ファイルサーバーは作成済みです。


Step1:CAにて証明書テンプレートを作成する

※CAサーバーにて実施します。

[管理]を選択

[Computer]ー[テンプレートの複製]を選択

[クライアント証明書]を削除します。

[証明書テンプレート]ー[新規作成]ー[発行する証明書テンプレート]を選択

[SMB over QUIC]を選択

テンプレートが作成されました。


Step2:ファイルサーバーにてサーバー証明書をインストールする

※ファイルサーバーにて実施します。

ファイル名を指定して実行ー[mmc]

[ファイル]ー[スナップインの追加と削除]を選択

[証明書]を[コンピュータアカウント]で追加します。

[新しい証明書の要求]を選択

[次へ]を選択

[この証明書を~]を選択

ファイルサーバー用の公開ドメイン名を追加

[登録]を選択

サーバー証明書が確認できます。


Step3:ファイルサーバーにてSMB over QUICを設定する

※今回は、ファイルサーバーに[Windows Admin Center]をインストールしております。
その場合、KDCプロキシとポート番号が重複するため[8080]に変更しております。

ブラウザにて[https://localhost:8080]に接続

[設定]ー[ファイル共有]ー[構成]を選択

作成したサーバー証明書を選択

ファイアウォールで[UDP 443]が許可されている事を確認

共有フォルダ[share]を作成し、ユーザーごとにアクセス権(NTFS)を設定しておきます。


接続してみましょう!

ファイルサーバーと同じドメインに参加済みのWindows11端末から、インターネット越しに[user12]で接続してみます。

NET USE * \\fileserver.japaneast.cloudapp.azure.com\share /TRANSPORT:QUIC

フォルダ[user12]にアクセスしてみます。試しにTextを作成

フォルダ[user11]にはアクセスできません。アクセス権(NTFS)が効いてますね!

[UDP 443]での通信が確認できます。