遂に、Azure上にNetAppが登場! 完全マネージド(PaaS)なファイルサーバーとして利用できます! Windows Virtual Desktop 利用時のファイルサーバー&プロファイル置き場として最適です。
しくみは簡単、NetApp Filesで作成した”ボリューム”を[サブネットの委任(vNet Injection)]を使い特定のサブネットに対して割り当てる。なので、1つのANFアカウントで、複数の仮想ネットワーク内の”サブネットの委任”に対して、ボリュームを割り当てる事が可能。
※VPN,ExpressRoute経由でのオンプレからのアクセスも可能
※ANF委任サブネットへの[UDR/NSG]の適用はサポート外
NetApp Filesのストレージ構成について
【Volume】
ハードクォータ。このボリュームがユーザーに提供するストレージサイズとなる。
TB容量が増えるほど、スループットとIOPSが増速する。
[オートボリュームアップ] ※廃止されました。
Volumeで設定した容量を超過した場合、自動的に1TB分の容量が拡張され書き込みが成功します。1時間後、元々指定していた容量を下回らなかった場合、自動拡張した容量に再設定されます。
【Capacity Pool】
ハードクォータ。パフォーマンスを決定するサービスレベルを設定する。
[サービスレベル] (ストレージタイプ) ※展開後に変更可能
・Ultra:(Volume)1TBあたり、 1024Mbps 32,768/IOPS(4KB)
・Premium:(Volume)1TBあたり、512Mbps 16,384/IOPS(4KB)
・Standard:(Volume)1TBあたり、128Mbps 4,096/IOPS(4KB)
※パフォーマンスは、GB単位で増減する
[最大 SMB スループット (ボリュームあたり)] 64KB シーケンシャル
Read 100% 4,434MB/sec
R/W 50% 1,274MB/1,274MB/sec
Wirte 100% 1,575MB/sec
[最大 SMB IOPS (ボリュームあたり)] 4KB ランダム
Read 100% 466,000 IOPS
R/W 50% 107,000/108,000 IOPS
Wirte 100% 133,000 IOPS
※Azure NetApp Files パフォーマンス計算ツール
【暫定制限】
・リージョンあたり、ボリュームサイズ[25TB] ※申請により100TBまで拡張可能
・重複排除/圧縮機能は利用できません。
・グローバルピア経由でのNetApp Filesへのアクセス
・リージョンあたり、1ANF=1ドメイン参加。
※2ANF=1ドメイン参加。2ANF=2ドメイン参加。 ←ダメなパターン
・NetApp Files ボリュームにアクセス可能なIP数[1000]
・NetApp Files専用サブネットへの[UDR] [NSG]
・NetApp FilesアカウントごとのCapacity Pool数[25]
・Capacity Poolごとのボリューム数[500]
・ボリュームごとのスナップショット数[255]
・単一最大ファイルサイズ[16TB]
・ボリュームあたりの最大ファイル数
※1TB=2千万 / 2TB=4千万 / 3TB=6千万 / 4TB=8千万 / 4TB以上=1億
全体の流れ
Step1:NetApp Account の作成
Step2:キャパシティプール の作成
Step3:Active Directory との接続 ※SMBのみ
Step4:ボリューム の作成
Step5:スナップショット の作成
Step1:NetApp Accont の作成
[+リソースの作成]ー[検索:Azure NetApp Files]ー[作成]を選択
名前:表示名(NetApp Accont)
サブスクリプション:Azureサービスの提供範囲
リソースグループ:グループ名(複数のリソースを1つにグループ化する機能)
場所:データの置き場所
“NetApp アカウント”だけが作成される
Step2:キャパシティプール の作成
名前:表示名
サービスレベル:Ultra/Premium/Standard
サイズ(TB):4~500
QoS Type:※Manualを選択すると、Volumeに対して任意のスループットを割り当てられる
Step3:Active Directory との接続
先ず、Active Directory 接続用アカウントにて[AES256]を有効にします。
SMBを利用する際は、Active Directory との接続が必須です。
接続できる「ドメイン」は一つのみです。
プライマリDNS:プライマリADのIP Address
セカンダリDNS:セカンダリADのIP Address
AD DNS ドメイン名:ドメイン名
SMBサーバー:ADに登録するNetApp Files用のコンピュータ名
組織単位のパス:OU名だけで良い
ユーザー名:ドメイン参加用アカウント
パスワード:
Step4:ボリューム の作成
ボリューム名:表示名
容量プール:作成済みの容量プールから選択
クォータ(GB):100GB以上
Throughput (MiB/s):※QoS Manualを設定した場合に設定可能。Volumeごとに分け合える
仮想ネットワーク:※NetApp Filesを配置するネットワークを指定
サブネット:※NetApp Filesを配置するサブネットを指定
Hide snapshot path:※スナップショットパスの隠蔽
スナップショットのポリシー:スナップショットジョブの適用
サブネットの委任:Microsoft.NetApp/volumes を指定すること
プロトコル:NFS(v3 or v4.1) / SMB / Dual-protocol
Active Directory:接続済みのADを選択 ※SMB時
共有名:ユーザーから見える共有名
作成後、ボリュームが確認できます。
Step5:スナップショット の作成
【 手動取得 】
作成したボリュームを選択
作成したスナップショットを選択ー[新しいボリュームに復元]を選択
作成後、復元したボリュームが確認できます。
クライアントからも接続できます。
ちなみに、クライアントからもファイル単位で復元できます。
【 自動取得 】
作成したANFを選択
【 毎時間 】
【 毎日 】
【 毎週 】
※複数の曜日を選択できる。すべての曜日を選択すると、毎日と同じになる。英語で設定
【 毎月 】
※曜日とあるが、日付の間違い。1~31日の複数日付を選択できる。
全パターンを設定してみました。
作成したボリュームを選択ー[編集]を選択
作成したスナップショットポリシーが選択できます。
スナップショットポリシーを適用したボリュームを選択すると、確認できます。
※復元方法は、【 手動取得 】と同じ
それでは、確認してみましょう!
指定したOU内に、NetApp Filesのコンピュータアカウントが確認できます。
DNSへの登録も確認できます。
クライアントから接続してみました。
おまけ
[サービスレベル] (ストレージタイプ) 変更方法
※下位のSKUに変更を戻す場合、7日間待機する必要があります。
作成したボリュームを選択ー[Change pool]を選択
予め作成しておいたボリュームに変更できます。
[Standard]から[Premium]に変更されているのが確認できます。
もちろん、ボリューム内に保存されているデータは健在です。