Azure Arc 対応サーバーにESUを適用する!

今回は、2023年10月10日にサポート終了となる[Windows Server 2012/R2]にAzure Arc を通してESUを適用してみたいと思います。
ESUとは、サポート終了日から3年間「セキュリティ更新プログラム」を提供するサービスです。Azure Arcを通す事で、ESUコストが安くなったり、月額単位で契約できたり、ESU product key の投入が不要になるメリットが受けられます。

Azure Arc についてはこちら
Azure Arc とは?

さっそく、構成を見てみましょう!

Azure Arcに登録した、サーバーの種類[Standard or Datacenter /物理or仮想/コア数]に応じて、AzureにてESUライセンスを作成します。このESUライセンスに対して課金されます。

ESUを適用したいサーバーに合わせて、サーバーの種類[Standard / Datacenter]、コアのタイプ[Physical Core / Virtual Core]を選択します。ESUライセンスの作成には、物理コアの場合=最低16core以上、仮想コアの場合=最低8core以上で作成する必要があります。

物理ホスト上に仮想マシンが3台ある場合に必要となるESUライセンスのパターン
① Standard – Virtual Core(8c) x3
② Standard – Physical Core(16c) x2 ※ホスト上で動く2台分のVMをカバーできる
③ Datacenter – Physical Core(16c) x1 ※ホスト上で動くすべてのVMをカバーできる
④ Standard – Physical Core(16c) x1 + Standard – Virtual Core(8c) x1
※Physical Coreの場合、ホスト上で動くVMのCore数は無視される

ESUライセンス適用後は、WindowsUpdate、WSUS などの既存の仕組みで運用を行います。
・Windows Server:「緊急」と「重大」が配布されます。
・SQL Server:「緊急」が配布されます。

【利用条件】

ESUの提供を受けるには、SA(ソフトウェア アシュアランス)が必要となります。

【コスト】 ※2023/09/22

【Windows Server 2012/R2】 ※月額(日割りは無い)
Standard [2core:1,384円 / 8core:5,538円 / 16core:11,075円]
Datacenter [2core:7,975円 / 8core:31,899円 / 16core:63,798円]

【SQL Server 2012】 ※VMごとに最低4Core必要
Standard [2core:36,317円]
Enterprise [2core:143,131円]


それでは、やってみよう!!

先ずは、[Windows Server 2012 R2]をArcに登録します。

[Extended Security Updates]ー[作成]を選択

サブスクリプション:Azureサービスの提供範囲
リソースグループ:グループ名(複数のリソースを1つにグループ化する機能)
License name:表示名
Activate License:[now:作成後課金開始] [later:任意のタイミングで有効化可能]
地域:メタデータの保存場所
SKU:[Datacenter / Standard] ※Arcに登録したWin2012のOSタイプ
Core type:[Physical cores / Virtual cores] ※物理or仮想サーバー
Core packs:物理コア=最低16core以上、仮想コア=最低8core以上

作成したESUライセンスが確認できます。

ESUライセンスを適用します。

[Eligible resources]ー[(ESUライセンスを適用するサーバーを選択)]ー[Enable ESUs]を選択

Core type:[Physical cores / Virtual cores]
ESU license:作成したESUライセンスを選択

ESUライセンスの適用が完了しました。


SQLサーバーへのESU適用

Windows Server 2012/R2 にESUを適用した後で、SQL用にESUの適用が必要です。

登録済みのSQLサーバーを選択ー[SQL Server Configuration]を選択
※[拡張セキュリティ更新プログラムに登録する]を有効化するだけです。
※メンテナンス スケジュール設定を行わないと、手動インストールとなる。

SQLサーバーへのESUの適用が確認できます。

提供される更新プログラムが表示されます。ダウンロードし手動で適用する事も可能


おまけ

作成したESUライセンスを編集する事ができます。

・ESUライセンスの有効化/無効化、適用したESUライセンスを取消す事が可能。
・コア数を増やす事が可能。減らせません。