AVDでエフェメラルOSディスクを試す!

やっと、セッションホストのディスクとして、エフェメラルOSディスクが利用できるようになりました。ホスト内のディスクを利用する事で、高速IOPSなディスクを無料で利用できます。と、イイことばかりでは無く、デメリットもあります。1つは、データ保持には向かないディスクであること。もう1つは、仮想マシンを停止できないことです。このデメリットのため、あまり利用されている感じは無かったのですが、AVDなら克服できます!

エフェメラルOSディスクとは、仮想マシンが動作している物理ホスト内のディスクにOSイメージをインストールして利用するディスクです。物理ホストに紐づくため、VMの再デプロイ、サイズ変更、ホスト障害時にはデータを失う事になります。しかし、AVDには「FSLogix」があるので、プロファイルデータをストレージに保存できます。
※ちなみに、再起動やサインアウトでは、データは消えません。

エフェメラルOSディスクを利用する仮想マシンは [開始][停止]ができず、ずーーっと起動し続ける必要があります。仮想マシンは起動していると、課金対象となるので、利用しない時は停止しておきたいのが心情です。しかし、AVDには「動的自動スケーリング」があるので、必要なタイミングで仮想マシンを自動的に作成してくれます。もちろん、削除も行えます。

こんなに便利なディスクですが、利用できる仮想マシンには条件があります。
[OSキャッシュ][一時ディスク][NVMe]のサイズが「127GB以上」備える仮想マシンにて利用できます。※[127GB]はWindowsOSに必要なサイズ

これらのディスク領域にWindowsOSをインストールして利用するため、本来利用できる一時ディスク容量が小さくなります。

一時ディスクサイズー(引く)エフェメラルOSディスク(127GB)=利用可能な一時ディスク容量
※ただし、NVMeの場合は、全領域を使用します。

なので、エフェメラルOSディスクは、一時ディスクとIOPSを共有することになります。

[利用のための諸条件]
・セッションホスト構成であること
・プール型であること ※個人用は未サポート
・Hybrid Entra Join構成であること ※Entra Join 構成は未サポートなので、外部IDは不可
・Microsoft Entra Domain Servicesを利用する場合は、[AAD DC Administrators]グループのメンバーである必要がある
・現時点では、[NVMe][Premium SSD]のエフェメラルOSディスクは未サポート

[エフェメラルOSディスクができないこと]
・VMの開始/停止/割り当て解除
・イメージキャプチャ
・スナップショット
・Azure Disk Encryption
・Azure Backup
・Azure Site Recovery
・OS ディスクスワップ
・ディスクサイズの変更
・作成したデータの保持


それでは、やってみよう!!

事前に「セッションホスト構成」を構築する必要があります。

仮想マシンのサイズ:エフェメラルOSディスクに対応するSKUを選択
※AVDでは、Dds_v5,Dads_v5が一般的
エフェメラルOSディスク:チェック
エフェメラルOSディスクの配置:SKUに応じて利用できる方を選択

OSキャッシュの配置:SSDキャッシュを備えているVMで利用可能。DSv2,DSv3,Ddv4
一時ディスクの配置:ローカル一時ディスクを待つVMで利用可能。DSv3,Ddv4,Ddv5
NVMe配置:一時ディスクにNVMeを搭載したVMで利用可能。Ddv6

作成完了! [開始][停止]が押せるが、押すとエラーとなる

ディスクが無い!


それでは、確認してみましょう!

仮想マシンのディスクを確認。Standard HDDなのに、IOPSの値がスゴイ事になってる!

サインイン後にディスクを確認。一時ディスクを分割してOSをインストールしている。

お試しに、Crystal Disk Markで確認。書き込みが高速化している!