今回は、Copilotに挑戦してみたいと思います!
はじめに、Copilotとどう向き合えば良いのかを、改めて考え直してみました。
以前の私は「Copilotに全部任せれば効率化できる」と思っていました。ですが実際に使い込んでみると、そう単純ではないことが分かってきました。プロンプトへの指示が不足すれば、出てくるのは”いわゆる平均点の成果物”。目的・前提条件・文体・構成といった肝の部分を人間側がしっかり設計しないと、納得のいくアウトプットにはたどり着けません。
とはいえ、そこまで作り込むなら「自分で手を動かした方が速いやん!」となるのもまた事実。そこで色々試した結果、今の私はこう考えています。
文章作成・要約・壁打ち・調べごとのサポート → Copilotが抜群に強い
資料作成(PowerPointなど)の”成果物そのもの”を作る → Coworkの方が圧倒的に向いている
Copilotは”隣にいる優秀なアシスタント”として、考えを言語化したり整理したりする場面で真価を発揮します。一方、スライドやドキュメントを”成果物として一気に組み上げる”作業は、Coworkに任せた方が完成度もスピードも段違い。
適材適所で使い分けることで、ようやく「人間の意思が宿った高品質な成果物」が安定して得られるようになりました。
間違っても「人間1割・AI9割」で高品質を求めないように! ここだけは変わらず、声を大にしてお伝えしておきます!
Microsoft 365 Copilotが得意なこと ※本人が回答
① 情報の要約・抽出・再構成 ※最も得意な領域です。
・長文メール/スレッド/会議の要点要約
・決定事項・アクション・論点の抽出
・複数ファイル・チャットの横断的な整理
② 文章化・構造化 (曖昧な思考を形にする)
※Copilotは「考えを言語に落とす」作業が非常に得意です。
・箇条書き化、章立て、アウトライン作成
・丁寧/カジュアル/ビジネス調などトーン変換
・日本語⇔英語など多言語変換
③ 比較・一覧化・パターン出し
※人間が時間を使いがちな「整理作業」を高速化します。
・メリット/デメリット整理
・選択肢の比較表作成
・同じテーマの複数案(A案/B案/C案)提示
④ 検索・キャッチアップ (権限内で)
※Copilotは「探す」より「意味で理解する」のが得意です。
・自分がアクセス権を持つ社内情報の横断検索
・「キーワード検索では見つからない情報」の発見
・途中参加した会議・チャットの即時キャッチアップ
⑤ データからの説明・サマリー(軽量分析)
※高度な分析ではなく、“理解の補助”が得意です。
・Excelデータの傾向説明
・グラフ・ピボット・要点の言語化
・「この数字から何が言えるか?」の整理
逆に、Copilotが苦手なこと (重要)
※強みを理解するために、弱点も明確にします。
・ゴールや評価軸が曖昧なままの「完成品作成」
・暗黙知・政治的配慮・空気感の判断
・最終意思決定・責任の所在が必要な判断
Microsoft 365 Copilot アーキテクチャー図

①ユーザープロンプトをCopilotに送信。
②Microsoft Graph経由で、ユーザーのアクセス権範囲で[組織データ]を参照
(秘密度ラベル/DLP/Purviewによってこの段階で機密データは除外)
③グラウンディング済み構造化プロンプトをLLMに送信し回答を生成
※①〜③が前処理(Preprocessing/Grounding)
④LLM応答に対し、責任あるAI(Responsible AI)でコンテンツ
フィルタ適用(有害表現・プロンプトインジェクション緩和等)
⑤Microsoft Graphに再アクセスし、グラウンディング再確認・セキュリティ・
コンプライアンスチェック(参照データとの整合性確認=ハルシネーション抑制)
※④⑤が後処理(Post-processing)
⑥プロンプトに応じたフォーマットで回答
※ Microsoft Purview/DLP/秘密度ラベルはフロー全体に作用
※ Enterprise Data Protection(EDP)はフロー全体で適用
※ データフローは全て暗号化(in transit)
※ Wave3からOpenAIモデルに加えAnthropic Claudeが追加
Copilotは、3つの頭脳から成り立っている。
Work IQ:業務データ(メール/会議/ファイル)から業務文脈を理解する基盤 ←メイン基盤
Foundry IQ:組織ナレッジの検索・推論(RAG)を担う
Fabric IQ:データに意味付け(セマンティクス)を加え、分析を可能にする
組織データ
①Microsoft365の業務コンテンツ [SharePoint / OneDrive / Outlook / Teams / Loop]
②組織情報 (氏名、役職、部署、組織階層、職務ロール、勤務地など)
③Microsoft Graph経由で参照されるデータ(ファイルアクセス権、参加した会議など)
責任あるAIの原則 (Responsible AI)
・公平性:すべての人を公平に扱うこと
・信頼性と安全性:予期しない状況でも、重大な誤作動や危険を起こさない設計であること
・プライバシーとセキュリティ:不正アクセスや情報漏えいを防ぐこと
・包括性:できるだけ多くの人が利用できること
・透明性:AI がどのように判断したのかを、人が理解できるようにすること
・説明責任:AI の判断や結果について、人間が責任を持つこと
エンタープライズデータ保護(EDP)
・保存したデータや転送中のデータも全て暗号化されます。
・使用したデータが公開される事はありません。
・ユーザーがアクセスできないファイルにはCopilotもアクセスできません。
・ユーザーが入力したデータはモデルの学習には利用されません。
・セキュリティと著作権のリスクから保護されます。
・Purviewを利用する事で、ログ収集、監査が可能
ネットワーク要件として、下記を通す必要があります。
「Microsoft365のURLとIPアドレスの範囲」
「*.cloud.microsoft」「*.office.com」
加えて、Copilot固有の追加エンドポイント
「copilot.microsoft.com」「*.copilot.microsoft.com」
「*.bing.com」「*.bingapis.com」
「challenges.cloudflare.com」
※WebSocket(WSS)接続が必須です。TLSインスペクションやプロキシの
タイムアウト設定により接続が阻害される場合があります。
Copilot ファミリー
Copilotには、様々な種類が存在します。これが混乱を誘う元なのですが、整理する事で全体感を把握した気持ちになれます。
無償版と有償版の大きな違いは[組織データ]への自動横断アクセス(Microsoft Graph経由)の有無です。なお、商用テナント向けの M365 Copilot Chat(無償版)には EDP が適用されますが、Consumer 向けの無償 Copilot には EDP は適用されません。
【無償 Copilot】
◆Copilot in Windows (OS標準機能)
機能:チャット、Web検索、要約、文章生成、画像生成。Windowsの操作補助
情報元:インターネット、添付ファイル、開いている画面、ローカルファイル、OneDrive
◆Copilot in Edge
機能:チャット、Web要約、文章生成、画像生成
情報元:インターネット、添付ファイル、開いているWebページ。
◆Copilot in Azure (Azureサブスクが必要)
機能:チャット、ARM生成、設定補助、トラブルシューティング、一般的なAzure情報の提供
情報元:Azureリソース、開いているWebページ、MS Learn
※リアルタイムWeb検索は行わないため、時事情報、天気予報などは応答不可
◆GitHub Copilot (個人利用)
機能:チャット、コード生成/補完。
情報元:公開コード、編集中のコード、リポジトリ
※情報元にインターネットが無いので、時事情報、天気予報などは応答不可
◆Microsoft Copilot [copilot.microsoft.com] / Copilot in Bing
機能:チャット、Web検索、要約、文章生成、画像生成。Copilot Labs(実験的機能)
情報元:インターネット、添付ファイル
◆Microsoft 365 Copilot Chat (Web/無償版)
機能:業務向けAIチャット、要約、翻訳、ファイル分析
情報元:インターネット、添付ファイル ※組織データは参照不可
【有償 Copilot】
◆Microsoft 365 Copilot Chat (従量課金)
機能:チャット、画像/動画生成、独自エージェントの作成。Microsoft 365 Copilotと比べて細かな機能制限がいくつかある。
情報元:インターネット、添付ファイル、指定した[SharePoint/OneDrive]を参照可能
※Microsoft Graphによる組織データへの自動横断参照不可
◆Microsoft 365 Copilot (ライセンス版)
機能:チャット、画像/動画生成、独自エージェントの作成、Microsoft 365 Copilot App(Word / Excel / PowerPoint / Outlook / Teams / Loop etc)の利用
会議要約、アクション抽出、業務文脈理解が可能
情報元:社内データ[Web/SharePoint/コネクタ/Teams/Outlook]を参照可能。優先アクセス
Microsoft Graphによる組織データへの自動横断参照(メール / 会議 / チャット / ファイル)
◆Copilot Cowork
機能:資料作成、メール送信、スケジュール調整などの作業を同時に実行可能
スキル機能により、各種アプリケーションの操作が可能
情報元:Microsoft 365 Copilot (ライセンス版)と同等
◆Microsoft Copilot Studio
機能:ローコード/ノーコードによる独自エージェントの作成、公開範囲制御(社内/外)、ガバナンス、監査、利用制御
情報元:社内データ[Web/SharePoint/コネクタ/Teams/Outlook]を参照可能。外部API
設計次第で組織データへのアクセスが可能
◆GitHub Copilot (Business / Enterprise)
機能:コード生成/補完/修正。PR要約、Issue対応。組織ポリシー、監査、管理
情報元:公開コード / 編集中のコード、リポジトリ、公開ドキュメント
◆Microsoft Security Copilot
機能:インシデント要約、脅威分析、KQL生成、クエリ解釈
情報元:[Defender/Entra/Intune/Purview/Sentinel]を参照可能
◆Copilot in Dynamics 365 (Sales /Customer Service/Finance/Supply Chain 等)
機能:営業メール作成、ケース要約、仕訳提案、需要分析など
情報元:Dynamics 365、Outlook、Teams
◆Project Opal
機能:Edge操作(ヒューマン・イン・ザ・ループ)
情報元:インターネット
※Microsoft Graphによる組織データへの自動横断参照不可
おまけ
プロンプト作成のコツ
4つの項目を明確に書く、製作者の意思や思いを込めると完成度が高まります。
① Goal (目的)
② Context (背景や状況)
③ Source (材料や参考にしてほしい情報)
④ Expectations (アウトプットの形式・粒度)
※作成した資料は、サンドボックスに一時保管される。
パーソナライズ記憶
意図的に記憶する事もできるが、会話履歴からも個人に関する内容を学習する。
・将来の応答に役立つ、継続的に意味がある情報
・ユーザーに関する事実情報(職種、業務内容、興味のある技術領域、関西在住、日本語)
・回答に対する好み、スタイル(箇条書きが好き、要約が好き、くらう道っぽい文体を好む)
・頻繁に話題になるテーマ(AVD、Copilot、アーキテクチャ)
・明示的な指示(「覚えて」と言った内容)
・役割/立場(コミュニティに登壇する、ブログを運営している)
※意図的に記憶した情報は、Copilot設定[保存されたメモリ]で確認できる
※会話履歴から学習した情報は、Exchangeに保存される。確認できない
