動画配信プラットフォーム「Azure Media Services」とは?

Azure Media Services (AMS)とは、動画配信のプラットフォームを提供するサービスです。

動画配信環境を自身で構築するとなると、サーバーや広帯域ネットワーク、大容量ストレージの準備をするだけではなく、動画ファイルのエンコード処理やコーデックの準備、コンテンツ保護(DRM)、マルチデバイスへの対応など、、やることが多く、専業ベンダーが存在するぐらい大変なのです。

と言う事で!! 動画制作に専念したい人には Azure Media Services オススメです!!


それでは、やってみましょ~

と言いたいのですが、今回は、Azure Media Services の内容に入る前に、先ずは、動画配信について説明したいと思います。
最近は、HTTPで動画配信を行うのが主流です。Webサーバーで配信、ブラウザで再生!!
以前は、RTSP(RealMedia)やRTMP(Flash)が主流でした。

動画配信方式には3種類の方式がある!

プログレッシブ方式:動画ファイルを端末に保存しつつ、再生する方式。ダウンロードが間に合わないと、映像が停止する。

ストリーミング方式:動画ファイルを端末には保存せず、分割された動画データを受信し再生する方式。ダウンロードが間に合わないと、画質の低下や映像が欠落するが、再生時間は進む。

アダプティブストリーミング方式:ストリーミング方式の進化版。端末の受信状況に合わせて、動的にビットレートを変更させる事ができる。
※予め、複数ビットレート分の動画ファイルを作成する必要がある。

ストリーミングプロトコルには、複数の規格が存在する!

・MPEG-DASH(Dynamic Adaptive Streaming over HTTP):国際標準規格
・HLS(HTTP Live Streaming):Appleが策定
・HDS(HTTP Dynamic Streaming):Adobeが策定 ※AMSでは未サポート
・Smooth Streaming:Microsoftが策定
※動画ファイルの作成方法や対応コーデックに違いがあり、再生するには、プレイヤー側でも対応が必要。
※これらは、動画ファイルを小さくした「セグメントファイル」と「プレイリスト(マニフェスト)ファイル」の形式の違いを指す。
ストリーミングプロトコルと呼ばれているが、ネットワークプロトコルを指すものでは無く、すべてHTTPで通信を行う。

コーデックにも、複数の規格が存在する!

コーデック(Codec)とは、動画データを100分の1ほどに圧縮するアルゴリズム。
このように、動画を圧縮(符号化)する工程を「エンコード」、復号化を「デコード」と言う。
※再生するには、プレイヤー側でもコーデックが必要。

主なコーデック:WMV / Xvid/ Divx / MPEG-1 / MPEG-2 / MPEG-4 / H264 / H265 / VP9

コンテンツ保護方式にも、複数の規格が存在する!

DRM(Digital Rights Management)とは、デジタルデータの複製/再利用を防ぐ技術。暗号化されたデータを特定のプレイヤーでしか再生させないようにする。
・PlayReady(Microsoft) ※AES-128(CTR)/CENC(共通暗号化)対応。MPEG-DASHで利用可
・FairPlay(Apple) ※AES-128(CBC)
・Widevine(Google) ※AES-128(CTR)/CENC(共通暗号化)対応。MPEG-DASHで利用可
※DRMの規格を各社が提供しているが、互換性は無い


今回の内容をまとめると

現状の動画配信には、様々なコーデック、ストリーミング方式、ストリーミングプロトコル、DRMが存在します。それぞれの組み合わせの数だけ、動画ファイルを作成する必要があります。また、再生するプレイヤー側でも対応が必要となるので、早期の統一化が望まれます。
※最近では、MPEG-DASH vs HLS の模様。

Azure Media Services は、この大変な作業工程の簡略化とプラットフォームを提供します。